婚活を始めるうえで最初に考えるのが、相手の条件です。外見や職業、趣味、休日の過ごし方など、さまざまな観点があります。誰しも理想の相手と結婚するため、多くの条件を挙げます。
しかし条件に縛られるあまり、出会いを狭めてしまっていることも。「でも条件を妥協して、後悔したくない」のも本音です。
今回は婚活で条件に悩む方に向けて、人気条件のリアルな平均値や結婚の決め手を踏まえ、条件の決め方について解説します。
みんなが婚活で相手に求める条件
婚活をしている方は、相手にどのような条件を求めるのでしょうか。
2021年に国立社会保障・人口問題研究所が実施した「第16回出生動向基本調査」では、18歳から34歳の結婚希望のある未婚男女3,385人を対象に「結婚相手に求める条件」を質問。その結果、男女でトップ3が一致しました。
- 人柄
- 家事・育児に対する能力や姿勢
- 仕事への理解と協力
人柄
当たり前ですが、結婚に内面的な相性は欠かせません。長く続く関係だからこそ、居心地のよさを求めます。
最近は自分に対する優しさだけでなく、周囲への振る舞いから本性を探ります。一方で、出会いは相手の容姿から始まることが多く、人柄の良さだけでは出会いが増えないのも事実です。
家事・育児に対する能力や姿勢
現在は子どもの有無にかかわらず、共働きが一般的です。
内閣府の「男女共同参画白書 令和4年版」によると、世帯全体の約7割が共働きです。そのため婚活でも、男女ともに家事能力や姿勢を求める方が増えています。
同様の理由から、実家暮らしよりも一人暮らしの経験が好まれます。私の友人たちも、一人暮らしをしている方と交際・結婚している子が多いです。
仕事への理解と協力
男女ともに仕事への理解も相手に求められます。仕事によって、転勤や出張の有無、繁忙期はさまざまです。2人の休みがなかなか合わず、別れの原因になることはしばしばあります。
また仕事で叶えたい夢があるため、応援してほしいと思う方もいます。2人の共同生活だからこそ、仕事と家庭のバランスについて相互理解が必要です。
婚活でのよくある条件とリアルな平均値の差
結婚相談所やマッチングアプリで相手を探すとき、身長や学歴、年収で相手を絞る方も多いでしょう。同年代の平均値を知っておけば、自分の理想が高いのか、客観的にチェックできます。
- 身長
- 学歴
- 年収
身長
高身長の男性は女性から人気があり、多くの女性は170cm以上を求めます。対して男性は、自分より身長が低い女性を求める傾向です。
では日本人の平均身長はどのくらいでしょうか。厚生労働省が2019年に実施した「国民健康・栄養調査」によると、年代別の身長は以下の通りです。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
26~29歳 | 171.8cm | 157.9cm |
30~39歳 | 171.5cm | 158.2cm |
低身長男性・高身長女性は、婚活において身長が不利と思うこともあるでしょう。しかし実際に身長が婚活の第一条件という方は少なく、多くの方は雰囲気や価値観を含めて総合的に判断します。そのためコンプレックスとして卑屈になるのではなく、相手に堂々と接した方が好感を持たれます。
学歴
学歴はその人のバックグランドや価値観、収入にある程度相関することから、女性は男性の学歴を重視する傾向があります。内閣府による「男女共同参画白書」によると、2020年の進学率は以下の通りでした。
進学先ごとの進学率 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
高等学校等への進学率 | 95.3% | 95.7% |
専修学校(専門課程)への進学率 | 20.5% | 27.3% |
大学(学部)への進学率 | 57.7% | 50.9% |
とくに大都市では高い大学進学率を持ちます。なかでも京都府、東京都、兵庫県、大阪府、広島県、神奈川県では大学進学率が60%を超えています。(文部科学省 令和2年度学校基本調査より)
なお男性は女性の学歴に関心がないため、女性は婚活において学歴は武器となりません。
年収
専業主婦の割合が減ったとはいえ、男女問わず多くの方は婚活で年収を条件にされます。子育てやマイホームなど、将来を見越して世帯年収は確保しておきたいですよね。転職サービス「doda」が2023年に発表した世代別平均年収は以下の通りです。
年代 | 全体 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
20代 | 352万円 | 377万円 | 329万円 |
30代 | 447万円 | 494万円 | 383万円 |
なお、国税庁の「令和5年分 民間給与実態調査」によると、給与所得者の平均年収は460万円です。また年収1,000万円以上の男性は、全体の17.1%になります。
この調査は全年代を対象としているので、婚活市場に多い20代・30代男性に絞ると、割合はより低くなるでしょう。「玉の輿」には憧れますが、現実はそう簡単にはいきません。
また高年収の方は総じて激務であるため、ある程度相手に寄り添う覚悟が必要になります。具体的には休日も仕事で休みが合わない、家事は基本的に妻がすべておこなうなどが挙げられます。私も、付き合ってた相手が激務で連絡が滞った結果、お別れに至りました。
婚活での条件の見直しが大切な理由
婚活中は、自分に合った人に出会えないストレスをしばしば感じます。ときには「妥協が必要なのか」と悩むでしょう。婚活がうまくいかないときは、相手に求める条件を見直してはいかがでしょうか。その理由は以下の3つです。
- 「普通」の感覚は個人差がある
- 相手の本性を見誤る可能性がある
- 結婚は「ゴール」ではなく「スタート」
「普通」の感覚は個人差がある
最近は理想の結婚相手を聞くと「普通の人がいい」と答える方がいます。一見、高望みしていなさそうですが、実際は「普通」の感覚は人によって大きな差があります。
私は朝ごはんが米派ですが、パン派や食べない派もいるでしょう。他にも部屋のキレイさや、記念日の感覚もさまざまです。
これらは育った環境や親の教育、ネット情報によるものです。「女性は痩せている方が美しい」といった、社会的な美の価値観もよい例です。
また「普通」の感覚は非常にあいまいなために、ようやく相手候補に会っても「なんか違う」と思ってしまいます。このような方は自分が思う「普通」が何か、より具体的に落とし込むと、うまくいくでしょう。
相手の本性を見誤る可能性がある
将来への憧れが強すぎるあまり、相手の本性にきちんと向き合えない可能性があります。
「子どもを望んでいるから子育てに協力的」「上場企業お勤めだから、安定した生活ができる」と、自分の理想と条件を安易に結び付けていないでしょうか。確かにたくさんの条件に当てはまれば、理想の結婚生活が送れる可能性はあります。しかしこれは自分の価値観を他人に押し付けてしまうことになります。
子どもを望んでいても子育ては女性任せの方もいますし、上場企業だから倒産しないとは限りません。相手が実は転職を考えている可能性もあります。条件に囚われず、相手の人間性を見極めることが、婚活成功の第1歩です。
結婚は「ゴール」ではなく「スタート」
素敵な方と巡り合い、結婚することは、運命のめぐり合わせであり、祝福されるものです。
ただ結婚はゴールではなく、夫婦の共同生活の始まりであることを忘れないでください。価値観の異なる2人が、お互いを支え合いながら毎日を過ごします。だからこそ、交際時よりも相手へのリスペクトが大切になっていきます。婚活中はこれを念頭に活動をおこないましょう。
実際に結婚を決めた3つの条件
結婚の決め手となったのはどんな条件なのでしょうか。ここでは実際に結婚を決めた3つの条件を解説します。
- 一緒にいるときの居心地の良さ
- お互いを補う相性の良さ
- 生活習慣や金銭感覚が合う
一緒にいるときの居心地の良さ
結婚後は基本的に毎日一緒にいるからこそ、居心地のよさが決め手となります。自然体でいられる相手なら、リラックスして過ごせますよね。お互いへの気遣いや尊敬は、2人の時間を大切にしようとする思いに込められるでしょう。
お互いを補う相性の良さ
完璧な人間はいないからこそ、相手の弱点や苦手なことへの理解が必要になります。とくに共働き世帯であれば、協力して家庭を築くことが強く求められます。
私の友人を実例に挙げましょう。私の友人は学生のときから整理整頓が苦手で、掃除も得意ではありません。対して彼女のお相手は、大のキレイ好きで掃除のこだわりが強め。彼女が掃除に無頓着であるからこそ、彼は思う存分掃除を楽しんでいるそうです。
このようにお互いの足りないところを補い合える関係は、大きな問題が起きても一緒に乗り越えられるでしょう。
生活習慣や金銭感覚が合う
生活習慣や金銭感覚には、個人の価値観が強く反映されます。この感覚があまりにも離れていると、根本的な価値観の相違につながります。
どちらかが相手に合わせたり、お互いが歩み寄ったりすればよいと考えるかもしれません。ただ自分が1番慣れている習慣を急に変えることは難しく、大きなストレスに感じます。
相手がどんな価値観なのか、自分はどこに違和感があるのか、交際中にきちんと話し合えれば、結婚生活もスムーズに始められるでしょう。
婚活で譲れない条件の決め方
では婚活の条件はどのように決めたらよいでしょうか。以下の4ステップで現在の条件を見直してみましょう。
- 絶対NG条件を描き出す
- 条件に関する客観的なデータを調べる
- 結婚後の生活を具体的に想像する
- 書き出した条件から理想の相手を描き出す
1.絶対NG条件を描き出す
まずは自分が絶対にイヤだと思う条件を書き出してみましょう。この条件が1つでも当てはまったら、その方とは会わないと思えるものです。
たとえば「タバコを吸わない」「子どもがいる」が挙げられます。ここではいくつ挙げても構いません。
2.条件に関する客観的なデータを調べる
次に挙げた条件に関する、客観的なデータを調べましょう。おすすめは国や官公庁がおこなっている、全国的な調査です。調査方法や品質が保たれているからです。
ここで自分が高望みしていないか、冷静に確認しましょう。
3.結婚後の生活を具体的に想像する
そして、結婚後の生活を具体的に想像しましょう。子どもは何人欲しいか、1日の流れはどうかなどが挙げられます。また自分の将来についても、いまの趣味はどれくらい続けたいのか、仕事はどれくらいやりたいのか、考えてみましょう。
これらを通して、自分が持っている価値観や人生設計について、じっくり向き合えます。
4.書き出した条件から理想の相手を描き出す
最後に最初に書き出した条件と、客観的なデータ、自分の価値観を比べてみましょう。大事な条件と考えていたけれども、実はそうではなかったこともあるでしょう。
整理ができたら、相手に求める条件を再度書き出します。ここでポイントなのは、ポジティブな文章にすること。
「大酒飲みはイヤ」なら「お酒はほどほどにたしなむ」 「自分の考えを押し付けない」なら「話し合いで問題を解決する」
ポジティブな人柄を思い浮かべると、婚活も前向きに取り組めますよ。今回出た条件で再度婚活すると、自分とより相性のいい方と出会えるかもしれません。
婚活の条件を見直して、ステキな人と出会おう
今回は婚活で相手に求める条件や結婚の決め手を踏まえて、婚活の条件の決め方について解説しました。
婚活で大事なことは、結婚後の生活を見据えて相手を探すことです。現在の相手のプロフィールや考えも大切ですが、人間は経験を通して変わっていくもの。だからこそ、最終的に根本的な価値観や相性が結婚、そして夫婦円満のカギとなります。
この記事を参考にぜひ結婚生活を見据えて、再度婚活の条件を見直してみてください。